乳腺外科外来(保険診療)

乳房に症状のある方

乳房に腫瘤(しこり)を触れる

乳房に腫瘤(しこり)を触れる乳房に塊(かたまり)のように触れるものを「腫瘤(しゅりゅう)」または「しこり」といいます。乳がんの症状の一つでもありますが、乳がん以外にも、乳腺にできる良性腫瘤、乳腺症、皮膚病変などがあります。月経周期や個人差もありますが、乳腺実質をしこりのように触れる場合もあります。自覚されたしこりが、良性なのか悪性なのかの判断は、触っただけではわかりづらいことが多いです。普段からご自身の乳房を意識していただき、以前はなかった「しこり」を触れる場合は、早めに外来を受診しましょう。

乳頭から赤~茶色の分泌物(出血)がある

乳頭から液体が出てくることを「乳頭分泌」といいます。授乳期には母乳が出ますが、授乳期以外でも、乳頭分泌を生じる病態があります。その原因の多くは、乳腺症・乳管内乳頭腫などの良性疾患、高プロラクチン血症、一部の内服薬などです。乳頭乳輪部の慢性湿疹でも浸出液が出ることがあり、乳頭分泌と区別が難しい場合もあります。一方、乳がんの一部で、乳頭からの血性分泌を来すこともあります。

乳頭分泌を自覚された場合は、まず性状(何色か、単孔性(1つの穴からでている)か多孔性(複数の穴からでている)か)などを観察してください。透明・白・黄色の分泌で、多孔性の乳頭分泌の場合は、定期的な乳がん検診を継続してください。単孔性の血性分泌(赤~茶色)の場合は、早期乳がんが隠れていることもありますので、早めの外来の受診をお勧めします。

乳頭乳輪部に湿疹やびらん(ただれ)がある

乳頭乳輪部の皮膚に湿疹やびらん(ただれ)が出現し、かゆみを伴うような場合は、慢性湿疹などの皮膚疾患であることが多いです。まずは、皮膚科受診をお勧めします。

一方、なかなか改善しない場合、パジェット病(Paget病)という特殊な乳がんの可能性や、皮膚まで進展した乳がんの可能性もありますので、心配な方はご相談ください。

乳房の皮膚に陥凹や変形がある

乳房内の腫瘤が皮膚に近い場合は、皮膚が引っ張られて「ひきつれ」や「くぼみ」を引き起こすことがあります。乳房の形の左右差、皮膚や乳頭のへこみ、えくぼ症状などがないか、入浴の際にでも鏡に映してチェックしてみましょう。光のあたる方向や体勢を変えてみても、皮膚の陥凹や変形が残る場合はご相談ください。

乳房が赤く腫れて痛みを伴う

乳腺炎や乳輪下膿瘍などの乳房の炎症の可能性があります。炎症を起こして間もない状態では、抗生剤内服などの保存的治療で軽快しますが、うみ(膿)がたくさん溜まった状態では、切開してうみを出す外科的治療が必要となります。乳房が赤く腫れて痛みを伴う場合は、早めに受診しましょう。

多くの女性は、赤みはなくても乳房に痛みを感じた経験があると思います。乳房痛は、女性ホルモンが関与していることが多く、思春期、月経周期、妊娠・授乳期、閉経期など女性のどの時期にでも起こることがあります。初期の乳がんで痛みを伴うことはほとんどありませんが、腫瘤が大きい場合や皮膚のひきつれを伴う場合は、痛みを伴う場合もあります。また、乳房全体が硬く腫れる場合は、炎症性乳がんという炎症症状を呈する稀な乳がんであることもあります。

日常生活に支障がでるほどの強い痛みや、痛みの他に症状(しこり、発赤、熱感など)を伴う場合は、早めに外来を受診してください。

乳がん検診で
要精密検査となった方

診察人間ドックや自治体が行っている検診などで乳房に異常を指摘され、「要精密検査」「要再検査」という結果を受け取った場合は、なるべく早めに受診しましょう。「精密検査」というだけで、ご不安な気持ちになると思います。当院では、乳腺専門医による精密検査を迅速に行い、患者さんの不安を長引かせないことを心がけています。

相談室も設置しておりますので、心配事がある場合はお気軽にご相談ください。

マンモグラフィ検査・
超音波検査(エコー検査)

マンモグラフィ検査・超音波検査検査詳細に関しては、マンモグラフィ検査、超音波検査(エコー検査)の項目をご参照ください。マンモグラフィ検査と超音波検査のどちらかでしか指摘できない乳がんもありますので、精密検査の場合は、マンモグラフィ検査および超音波検査を実施し、総合診断をします。

その他の画像診断

その他の画像診断として、MRI検査を行うことがあります。乳がんの乳房内での広がりを確認するために行うことが多いのですが、病変の診断が難しい場合に補助診断として用いることがあります。乳がんと診断された方では、全身の広がりを確認するために、必要に応じて、CT検査、PET-CT検査、骨シンチグラフィを行うことがあり、近隣の医療機関に依頼して、検査を実施いたします。

超音波ガイド下針生検(組織診)

乳房組織生検装置:BD EleVationTM(株式会社メディコン)

組織を採取し、染色して顕微鏡で観察することを「組織診(そしきしん)」と呼びます。超音波検査(エコー検査)等の画像検査にて、良性か悪性かの診断が必要な病変を有する場合、より正確な診断のために組織診を行います。組織診には、針を使用して組織を採取する「針生検」と、小さな手術で病変を摘出して調べる「外科的生検」があり、針生検は小さな切開で組織が採取できるので、身体への負担が少ない検査です。

当院では、対象となる病変に対しては、超音波ガイド下針生検(コア針生検、吸引式乳房組織生検)による組織診を行っています。超音波検査にて病変を確認しながら、局所麻酔後に小さい切開(数㎜)をして針で組織を採取する10分程度の検査となります。採取した検体は、顕微鏡の検査に提出して良性か悪性かを詳しく調べます。血性乳頭分泌や、嚢胞性病変に対しては、簡易的な細胞診(穿刺吸引細胞診)を実施することもあります。

多くの病変では、針生検にて確定診断に至りますが、まれに診断が難しい病変も存在します。その場合は、病変の全体像を調べる外科的生検の適応となりますので、実施可能な医療機関にご紹介させていただきます。

どの検査も、受けられる患者さんはご不安な気持ちになられることと思います。検査を実施する前に、丁寧な説明を心がけておりますが、ご不明な点や心配なことなど遠慮なく主治医にご相談ください。

〒231-0007
神奈川県横浜市中区弁天通3-47-2
フロール横濱関内301号          

 

TEL:045-306-9705
         

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